『そのひとらしさ』 『尊厳』をまもる。とよく聞くと思います。

このことは、動作、人の動きについても言えると思います。人本来の動きであったり、その人が慣れ親しんだ動作や環境。これらを無視してケアを提供してしまうと、ケアを受ける側としては、とても苦しかったり、痛みを感じてしまいます。

苦しみや痛みを感じることで、身体が緊張し、拘縮や身体の変形などが生じてしまいます。

また、例えば、楽しみのはずの食事。ベッドから車椅子などに移る時に、苦痛を伴う移乗ケアをしていると「食事か。。。痛い思いするの嫌だから、食べたくない」と意欲をなくしてしまうことにもつながりかねません。

抱えたり、持ち上げるといった動作はケアを受ける側にとってはもちろん、ケアを提供する側にとっても、とても苦痛を伴います。

腰痛を起こす要因のひとつに、ケアを受ける側と同じように精神的なものが、身体に影響して腰痛を起こすと言われています。

「あーぁ。また移乗か。辛いな」という気持ちが、身体に影響を与えてしまいます。

このように、お互いが辛い思いをしていたら、『その人らしさ』『尊厳』をまもるといった、介護の本質を全うすることが出来ません。

ケアを受ける側・ケアを提供する側、双方が笑顔になれるよう、ケアのあり方を日々考え、実践出来るように頑張ってます。

28年度当初に、床走行リフトの導入をしました。

抱えない・持ち上げないケア、介護職員の腰痛予防を行うために、リフトの導入を検討されている施設さんも多いと思います。

また、導入はしたんだけど、時間がかかるなどを理由に、十分に運用されていない施設さんもあると思います。

リフト導入にともなう研修で、いいアドバイスをいただきました。

「確かに、職員さんの腰痛予防といった視点も大切ですが、もっと大切な視点として、ご利用者の姿勢改善・身体の緊張緩和につながる。」といったことでした。

 

リフトを姿勢改善に取り入れているリハビリセンターもある。というお話も伺いました。

リフトで持ち上げられた時、骨盤が前傾し、大腿部でしっかりと体重を支える座位の基本姿勢が出来上がるため、身体の緊張が緩み、ズレにくい姿勢を保つことが出来ます。これを積み重ねることで、ご利用者の姿勢改善につなげていくということです。拘縮や身体の緊張が強いご利用者にこそ、是非リフトを活用して欲しい。そして、職員さんが、ご利用者の変化を目で見て感じることで、リフトの良さがわかり十分な運用が出来るというアドバイスでした。小さな成功事例を積み上げていくことだと。

こういった視点で運用を進めていくと、現場の職員から「姿勢が保ちやすくなった」 「身体の緊張が緩んできたような」 「口の緊張がすごかったのに、口を開きやすくなったのか、食事介助がしやすくなった。」などの声が聞かれるようになってきました。

まだまだ、十分な運用とまではいきませんが、ご利用者・職員ともに笑顔が溢れるよう頑張っています。

   地域とのつながり

地域とのつながりが、途切れないよう、職員数が少ない中、出来るだけ外出出来るように頑張っています。馴染みの理美容店、お買い物、自宅、飲食店など。外出先で見せる、ご利用者の笑顔。職員は、その笑顔を見られることで、大変さを忘れることが出来るといいます。

また、施設内の広い壁面を、保育園児さん、小学校・中学校の生徒さんの作品展示場所として活用することで、地域の方々との交流の場としています。

これも、ご利用者・地域の方々の喜びに繋がるよう頑張っています。

 

      看取り

島内に入院出来る病院はありません。隣の島には入院できる医療機関はありますが、近いとは言え、海を隔ててです。

もちろん、治療を受けることで回復することが可能であれば、隣の島、本土の医療機関へ入院をします。が、いわゆる看取り期となると、施設での看取りを、ご希望されることが多いです。やはり『我がとこで』といった、ご本人、ご家族の思いが強いです。

ご家族が安心して付き添うことが出来るよう環境を整えたり、ご家族の不安を取り除くようなアドバイスもさせていただいています。

また、診療所の医師、看護師さんが、在宅医療や在宅での看取りに力を入れておられることから、最近では、ご自宅に帰られての看取りを希望されるご家族もおられます。診療所と施設そしてご家族との連携が大切となっています。

最期の時を迎える方のご家族が、島内にいるとは限りません。島外におられる場合が多いです。お亡くなりになった後も、ご本人様が寂しくないよう、ご家族が来島されるまで、職員が必ず付き添うようにしています。